第9話 プラスチックのはなし(1) [分類・・]

これから、ポリエチレン(PEと称します)とポリプロピレン(PPと称します)を中心に、プラスチックのお話を何回かに分けて書いて行こうと思います。
連続して載せると飽きますので、他の技術コラムと合わせ、ところどころに、この話題を入れて行きたいと思います。

プラスチックはギリシャ語で「形つくる」という意味をもつplastikos という単語に由来しています。
つまり、プラスチックは比較的簡単に形状をつくることができるもので、一般的には熱で柔らかくして、形をつくって、固めるという方法で、所望の形がつくれる材料です。

プラスチックと言っても、その種類は非常に多く、大まかには以下の様に分類されています。

プラスチックのことを樹脂とも呼びますが、元々、樹脂は「天然樹脂」のことを指していました。
「天然樹脂」とは主に植物に生じるヤニ状物質(松脂や漆等)のことですが、化学の発展とともに「天然樹脂」と似た性質の化学物質が合成される様になり、これを「合成樹脂」と呼んで区別する様になりました。

「合成樹脂」は「熱硬化性樹脂」と「熱可塑性樹脂」に分類されます。
両者ともに、熱により溶融又は柔軟化して流動可能とした後に形をつくりますが、「熱硬化性樹脂」は再び熱を加えても柔軟化せず溶剤にも溶けない為、再生はできません。一方、「熱可塑性樹脂」は再び熱を加えると柔軟化して再生可能となります。

使用量は「熱可塑性樹脂」の方が圧倒的に多く、プラスチックと言えば、「熱可塑性樹脂」を指す場合が多いです。
「熱可塑性樹脂」は結晶性と非晶性に分かれます。結晶性樹脂は固まった状態で結晶を有するもので、非晶性樹脂は固まった状態で結晶は有りません。
結晶の有無により、プラスチックの性質は異なりますが、これについては、別のコラムでそのうち説明させていただきます。

上の図ではプラスチックの名前を短縮して記載していますので、代表的なものの名称を列記しておきます。
PS:ポリスチレン(polystyrene)
PVC:ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride)
PC:ポリカーボネイト(polycarbonate)
PP:ポリプロピレン(polypropylene)
PE:ポリエチレン(polyethylene)
PET:ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate) ペットボトルの「ペット」です